リチウムイオン電池のセル形状は何種類ある?
リチウムイオン電池を構成する最小単位である「セル」は、その形状により「円筒型セル」「角型セル」「ラミネートセル」に区別されます。
ラミネートセルとは
ラミネートセルは、電池の構成要素である電極をラミネートフィルムで封入したものです。ラミネートフィルムは、アルミやステンレスのごく薄い金属を樹脂フィルムで挟み込んだもので、見た目はレトルト食品のパウチパックに近いものです。
どのようにラミネートセルを作製する?
ラミネートフィルムの樹脂層をしっかりと熱溶着するためには、溶着面の高い表面処理技術を必要とします。そのため、工場での大量生産においては品質管理の難易度が高い傾向があります。具体的にはこの動画を見てみましょう。
ラミネートセルの特徴は?
ラミネートセルを使用したリチウムイオン電池は、非常にコンパクトなサイズで高出力を得られるため、小型のモバイル機器から自動車や船舶用バッテリー、EV車のモーター駆動バッテリーまで幅広く活用されています。
ラミネート型リチウムイオン電池の構造は
円筒型リチウム電池に代表される18650電池のセルは正極/セパレータ/負極の三層構造のシートを巻き付けて円筒状に成型しているのに対し、ラミネートセルは三層構造のシートを平面のまま積層し、ラミネートフィルムで封入しています。
テスラなどの大手企業はラミネート電池を使う?
テスラモーターは円筒型セルバッテリーを採用しシャーシに組み込んでいます。多くのEV車メーカーは小型の割にエネルギー密度の高い角型セルあるいは円筒型セルのリチウムイオン電池を採用していますが、ラミネートセルを採用する車メーカーが比較的に少ないです。テスラモーターは4680電池などの円筒型セルバッテリーを採用しシャーシに組み込んでいます。
ラミネートセルはEV車用途に限らず、小型の電子機器から大型蓄電池など、大手企業の多種多様な電池に採用されています。主にスマホバッテリー、ドローンバッテリーなどのモバイルや携帯設備に使用されています。
ラミネート形リチウムイオン電池のメリット
ラミネートセルのメリットとしては、何と言っても薄く軽量であるということです。それでいて体積当たりのエネルギー密度も高く、円筒型や角型よりも限られた空間を効率的に使用することができます。
表面積が広くラミネートフィルムの熱伝導率が良いため、放熱性が高い特性があります。充放電によりバッテリーセルは発熱しますが、セル表面からの放熱により温度の上昇幅を低く抑えることが可能になります。
また、非常に柔軟性があり、さまざまなアプリケーションシナリオや機器のニーズに応じて異なるサイズや形状に製造できます。
ラミネート電池は円筒形、角型電池と違いがある?
円筒型や角型のセルは主に金属製のケースを使用し、電解液をケースの溶接にて封入しますが、ラミネートセルはラミネートフィルムの樹脂層を熱溶着することによって電解液を封入します。
形状と外装の強度の違いから、円筒型セルよりもラミネートセルの方が金属ケースがないので、外的要因による衝撃にも弱いとされています。
まとめ
ここまで、ラミネートセルを使用したリチウムイオン電池の構造とそのメリット、使用シーンについて解説してきました。ラミネートセルを使用したリチウムイオン電池はセパレータの収縮による短絡や膨張によるトラブルを起こす可能がありますが、ラミネートフィルムの電解液封入技術は年々進歩しており、安全性の高い製品が提供できるようになっています。
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