エネルギー貯蔵に使う電池の種類とは?
再生可能なエネルギーは、環境問題などでエコな電力として認知されていて、風力や太陽光と使って生成される電気ですが、例えば太陽光発電を行う場合、発電には日射が必要で夜間などは利用できません。しかし、夜間でも電気は必要です。日中に発電した電気を貯蔵することで、必要な時利用する為に使用するのが、エネルギー貯蔵電池です。このエネルギー貯蔵電池は蓄電池と呼ばれており、主なものとして以下のような種類があります。
〇 鉛蓄電池
〇 ニッケル水素電池
〇 リチウムイオン蓄電池
各蓄電池を比較してみた
主な蓄電池として3種類の電池を上げましたが、その性能を比較するために、いくつかの項目毎に性能を確認していきます。
エネルギー
エネルギーの密度を重量1kgあたりで比較してみます。
電池 | 鉛蓄電池 | ニッケル水素電池 | リチウムイオン蓄電池 |
エネルギー | 40Wh/kg | 140Wh/kg | 389Wh/kg |
このように重量あたりのエネルギーは、リチウムイオン電池が高密度であることが確認できます。
寿命
寿命に関しては、DODが80%より低い前に充放電可能な回数であるサイクル数を比較してみます。
電池 | 鉛蓄電池 | ニッケル水素電池 | リチウムバッテリー |
寿命 | 4000 |
サイクル数で優れた性能を持つのはリチウム蓄電池です。そして、ニッケル水素電池も優れたサイクル数を実現しています。
効率
充電完了時からどれだけ放電可能かどうかを効率として比較てみます。
電池 | 鉛蓄電池 | ニッケル水素電池 | リチウム電池 |
効率 | 80% | 90% | 97% |
比較で見ると、リチウムイオン蓄電池は高効率を実現しています。
電力
電力を比較する上で各電池の電圧をみてみます。
電池 | 鉛蓄電池 | ニッケル水素電池 | リチウムイオンバッテリー |
電圧 | 3.7v |
他の電池よりも電圧が高いリチウム蓄電池は、それだけ多くの出力を提供できます。さらに、高エネルギー密度であることから、同じ重量の蓄電池を設置する場合、他の電池よりも多くの電力を取り扱うことができます。
リチウムイオン蓄電池の使用用途について
リチウムイオン蓄電池は様々なものに利用されていますが、ポピュラーな物ではモバイル電子機器や電動工具バッテリー、家庭用の蓄電池システムなど電力貯蔵目的での運用、他にもキャンピングカーリチウムイオンバッテリーとして車に搭載され使用しています。
動力電池と貯蔵電池の区別
リチウムイオン電池は様々なものに使用されているです。電気交通設備用リチウムバッテリーとエネルギー貯蔵用リチウムバッテリーは、本質的にリチウムイオン蓄電池ですが、その用途によってエネルギーの貯蔵用途と、動力源として使用する用途に分けることができます。
エネルギー貯蔵用途では家庭用の蓄電池で使用されるように、電源として使用されています。三元系リチウムイオン電池のエネルギー密度が高い為、大きな動力を提供でき、よく電気自動車の動力として使用されるなどしています。アプリケーションシナリオが異なるため、実際の応用では、リチウムイオン蓄電池のパフォーマンスと耐用年数に関する要件が異なります。
電力の貯蔵に必要な部品
電力会社から電気を購入して、リチウムイオン蓄電池は電力を貯蔵して利用することができます。もし、太陽光発電によって、電池に電量を充電する場合、エネルギー貯蔵電池、電力変換システム(PCS)などの部品もしくはする必要が有ります。
またパワーコンディショナも、直流で発電した電力を交流に変換して、電化製品を使用するためには必要です。
他にも、使用状況を監視するためには電力量計や発電量モニターなども必要となります。
リチウムイオン蓄電池の利用シーン
リチウムイオンエネルギー貯蔵電池はどのような時に利用するのでしょうか?
まず一つ、太陽光などで発電した電力の安定した利用ために役立ちます。ソーラーバッテリーのように太陽光発電システムの蓄電池として、システムから得た電量を貯めて、必要の時にその電量を設備に提供できます。
他にも、持ち運び可能な単独型であれば、屋外で家電を使用したいときなどに有効です。
また、家庭用蓄電池として利用する場合は、停電や災害時などに非常用電源として機能することもできます。
リチウムイオン蓄電池を選ぶ時のポイント
一般的には、電池を購入前に考えべきのは電池の種類や電圧などです。リチウムイオンエネルギー貯蔵電池であれば、最も需要なのは必要な容量です。
使用したい用途ではどれだけ電力が必要なのかを確認してください。その需要を満たす容量を持ったリチウムイオン蓄電池を選ぶ必要が有ります。例えば、家庭用蓄電池を導入する場合などは、現在の電力使用量を把握して、どれくらいの電力を貯蔵する必要があるのか確認してから購入してください。
リチウムイオン蓄電池を充電する方法
太陽光発電などと連携した家庭用蓄電池であれば、発電した電量で充電できます。MPPTなど充電に必要なパワーコンディショナなどの機器を使用して適切なシステムを構築してください。
電力会社からの電力で充電すれば、電動工具や船舶用バッテリーのようにリチウムイオン電池専用の充電器を使用して充電を行います。
まとめ
リチウムイオン蓄電池は家電や家庭用蓄電池では、エネルギーの密度が高いことから蓄電池を小型化でき、省スペース化に繋がるなど大きなメリットがあります。これまでに確認した、リチウムイオン電池の特性は、エネルギーの貯蔵を目的としたシステムに適しているのではないでしょうか?