インバーターとは何ですか?
「インバーター」とは、直流電流を交流電流に変換する回路です。その仕組みは「スイッチング」よります。スイッチングとは、直流電源が流れる回路内のスイッチのON/OFFを一定周期で繰り返すことです。スイッチングにより回路内の負荷に流れる電流の方向が交互に変わった結果、電圧のプラス/マイナスが交互に出力され、交流電流を作ります。
インバーターの役割
インバーター回路は、コンバーター、コンデンサと一体となってインバーター装置を構成します。その役割は、電圧と周波数の制御です。
送電線から供給される周波数は、東日本が50Hz、西日本が60Hzで、モーターの回転数は電流の周波数によって決まってしまうため、そのままではモーターの回転数を段階的に変化させることができません。
そこで、インバーター装置により任意の周波数に変えることによって、モーターの回転数を変化できます。インバーター装置は、電動工具バッテリー、パワーウォール、船舶用バッテリーなどの身近な家電製品電池内に設置されています。AC DC 電源を交換して電池を充電したり、設備に電力を提供したりします。電池以外、インバーターもエレベーターやベルトコンベアーなどの産業のアプリケーションのモーターの速度調整に使用されます。
3種類のインバーターを教えてくれませんか 最もよいのはどっち?
インバーター装置は、その機能により3種類に分けられます。
● VVVF 電圧・周波数を制御
モーター(産業用モーター・コンプレッサー用モーター)
● CVVF 周波数を制御
蛍光灯、IHヒーター、電子レンジ、レーダーなど
● CVCF 電圧・周波数を一定に保持
バッテリー、無停電電源装置 (UPS) 、太陽光発電のパワーコンディショナーなど
また、回路構成により電圧型インバーターと電流型インバーターの2種類があります。一般的には電圧型のほうが制御しやすく、様々な用途に用いられています。
インバーターの種類ごとに対応する使用シーンが異なるため、どっちのインバーターが優れているとは言えません。設備の応用シーンに応じて適切なインバータを選択する方がいいと思います。
インバーターとコンバーターは同じですか?
コンバーターとは、交流電流を直流電流に変換する装置で、インバーターと逆の働きをします。コンバーターには、家電製品のいわゆる「ACアダプター」に使用されるAC/DCコンバーター、直流電源の電圧と周波数を変更するDC/DCコンバーター、交流の周波数を直接変更するマトリクスコンバーターなどの種類があります。
バッテリーにインバーターは必要ですか?
バッテリーから供給される電流は直流電流であり、交流電流で動く機器を動作させるためにはインバーターが必須になります。したがって、バッテリーを使用してAC設備に電力を供給する場合は、インバーターが必要です。ただし、電池パックやデバイスによっては、インバーターが内蔵されているものがあります。また、バッテリーの電圧と周波数を一定に保ち安定した動作をさせる役割もあります。
インバーターをバッテリーに接続する方法
バッテリーを使用して、交流電源で動作する機器を動かすためには、バッテリーの下流側にインバーター装置を接続します。正常に動作させるには通信プロトコルが必要です。
インバーター付きの12Vリチウムバッテリーはどれくらい持ちますか?
インバーター付きの12vリチウムイオンバッテリーの寿命は、充電状況と使用頻度、温度環境などに大きく左右されます。過充電や充電不足は劣化を早めてしまいますので、メーカー推奨の適正電圧と充電方法を守ることが大切です。また、適切なサイクルで部分的な充電と放電により、バッテリー寿命は長くなります。
インバーターは電気なしでどのように動作しますか?
インバーターで注意しなければならないのは待機電力です。末端に目的の機器が接続されていなくても、バッテリーからインバーター装置に電流が流れ消費されてしまうため、機器を使用しない際にはインバーター装置の電源をOFFにする必要があります。選定の際には、一定時間電流が流れないとインバーター装置が自動OFFになる機能が付いたものが望ましいでしょう。
必要なインバーターのサイズをどのように計算しますか?
インバーターを選ぶときには、サイズ(容量)の選定が必須です。使用する機器の定格電流(≒消費電力)の1.05~1.1倍が、インバーターの定格出力電流値以下になるようにインバーターを選定することがポイントです。
複数の機器を並列運転する場合には、合計定格出力の1.05~1.1倍で計算し、インバーターの定格出力を選定します。インバーターのGWhはバッテリーのGWhより小さいです。
インバーターを購入する際の注意点は何ですか?
リチウムイオンバッテリーを使用するためのインバーター装置を購入する際には、使用機器の消費電力をよく調べましょう。それに見合った定格出力のインバーター装置を選定する必要があります。
また、インバーター装置には、短形波を出力するタイプと正弦波を出力するタイプの2種類があります。多くの製品は短形波でも動作しますが、中には正弦波でないと動かないものもあります。取扱説明書を読むか、メーカーに確認するなどしておきましょう。
まとめ
今回は、直流電流を交流電流に変換する回路である「インバーター」について解説しました。
インバーターの役割は、電圧と周波数の制御であり、交流電源で動作する機器をリチウムイオンバッテリーを使用して動かす際には必須のものです。選定を誤るとバッテリーの寿命を早めることにもつながりますので、インバーターの購入を検討する際には目的の機器の定格出力などをよくチェックしましょう。