日本の大手メーカー・パナソニック株式会社が、2023年4月から新型の4680電池を稼働させることを発表しました。4680電池は直径46mm×長さ80mmと大きめサイズの円筒型電池で、主に、車載用のリチウム電池としての活躍が期待されています。今回の記事では、このバッテリーの性能や疑問点、将来性について解説してしていきます。
リチウムイオン電池の3種類
〇 角形リチウムイオン電池
〇 円筒型リチウムイオン電池
〇 ソフトパックリチウムイオン電池
その中で、18650電池をはじめの円筒型リチウムイオンの電池は、新しい4680電池が加わります。4680バッテリーは、電池の使用回数削減と環境保全の役割を果たすために、活躍が期待されている電池です。
円筒形4680電池のメリットとデメリットについて
画期的な電池ではありますが、私たちの生活においてはどのように使っていけば良いのでしょうか。メリットとデメリットをそれぞれ解説していきます。
メリット
4680セルのサイズが大きいため、他の円筒形セルより容量が大きくなります。電池の容量を1本に集中させて、コストが大幅に削減が出来ます。バッテリー容量が大きいため、他のバッテリーよりも長持ちさせやすい点が大きなメリットです。適切なタイミングで充電すれば、より電子機器を長持ちさせられるでしょう。
デメリット
4680電池はシリコンベースの負極を使用しています。この材料は高い比容量がありますが、体積膨張しやすいです。
マイナス極を主軸としているので、不具合が発生する可能があります。4680バッテリーは18650電池よりも大きく、半径方向および軸方向の幾何学的対称性が悪化します。円筒形電池の内部では、これは正極と負極に過酷です。
体積がおおくので、4680電池の内部熱放散は難しく、バッテリーの寿命に一定の影響を及ぼします。
4680バッテリーは1865電池と21700バッテリーとどう違うか?
現在、よく使われている円筒形リチウム電池のは、「18650」と「21700」の2種類のバッテリーです。4680電池は、これら以上に体積と容積が大きくなります。より多くの容量を4680電池1本にまとめられるため、フォークリフトバッテリー、電気自動車電池など必要とするバッテリーセルを減らせて、エネルギー効率も非常に良くなります。
リチウム電池が各分野で活躍できるのはなぜ?
リチウムイオン電池は、高電圧でエネルギー密度が高く、同じ重量の鉛バッテリーを比べてリチウムイオン電池の容量が多いです。
なおかつ寿命も長持ちしやすく便利です。4000回のサイクル回数を持って、一日三回サイクルしても、約3.6年使用できます。そのため、草刈り機バッテリー、補聴器電池などとして小型家電から医療機器など汎用性の高い電池となっています。まさに、私たちの生活を支えている電池です。
4680電池に関するよくある質問
まだまだ分かない部分が多い電池ですが、実際はどのように使用していけば良いのでしょうか?疑問について解説していきます。
設備の持続時間を長くさせるには?
25000mAhの4680電池は10Aの設備電力を提供すると、約9.2時間の持続時間を持ちます。
テスラによると、4680電池は既存の21700バッテリーの5倍のエネルギー密度と6倍のストレージ容量を備えています。テスラのEV電気自動車に搭載すると、航続距離が16%増加できます。
専用の充電器で充電しなければならないの?
リチウムイオン電池専用の充電器は電池を定電流・定電圧で充電できます。過充電、過放電、短絡、逆極性、過電流、過電圧などの保護機能を備えています。リチウムイオン電池の専用充電器を利用して充電を行いながら、電池の寿命を保護して設備を長く持続させていくでしょう。
テスラに何個の電池があるの?
現在、テスラのModel Sには7104個の18650バッテリーセルが搭載されています。Model3には4416個21700バッテリーセルが搭載されます。4680バッテリーの登場により、その使用本数は大幅に減るものと見込まれています。
他の4680電池を開発する会社がある?
現時点で、日本のメーカーではパナソニック株式会社しか開発を進めていません。EVE、LG、Samsung SDIなど世界トップ10 4680電池メーカーも4680電池開発しています。
今後の動向を予測
全国各地の工場から4680電池の開発・生産を今以上に促進して、より多くの電気自動車の役に立てていけるでしょう。二酸化炭素の排出の削減に、電気自動車は大きく貢献できます。また、電気自動車以外にも医療機器や大型の電子機器にも応用ができる素晴らしい電池になるでしょう。
まとめ
4680バッテリーは、登場したばかりでまだまだ未知数な電池です。今後、電気自動車への車載用のみならず活躍の場所が広まる可能性も考えられます。これからの動向を見守っていきましょう。